アパートローンの貸出残高が過去最高を超えてから、

少しづつ不動産投資への風向きが変わりつつあるようです。

 

「美味しい投資」と言う情報が巷では非常に多かったですが、

不動産投資に関するネガティブな情報や記事が多くなってきました。

「サブリース保証は続かない・・・」

「郊外では稼働率70%時代の突入・・・」

「相続税対策を謳ったニーズがない地域でのアパート経営・・・」

 

情報と言うのは今の流行りに基づいて発信されるものだと思いますので、

やはり不動産投資への風向きが変わり、

冷静な目で不動産投資を行う必要があると言う市場の警笛が表れているのだと思います。

 

不動産投資は「不労所得」「節税対策」「手元資金0円投資」など

良い部分だけがクローズアップされて不動産投資の決断をしてしまう事が多いので、

今回はこうした風向きが変わった市況の中で

実際に不動産運用にはどんな実務が必要でどの様な事が発生して行くかを

管理会社の目線で解説をさせて頂き、不動産投資の意思決定や不動産運用の意思決定の

ひとつの情報として役立てて頂ければと思います。

 

(写真=123RF)

不動産投資に必要な業務

不動産管理業務は大きく分けると2つあります。

BM(ビルメンテナンス)とPM(プロパティー・マネジメント)に大別されます。

 

BM業務の例

貯水槽清掃(法定)

物件に受水槽が設置されている場合、定期的に水槽内の清掃、

規模が大きい場合には1年1回水質検査を行う必要があります。

 

電気保安点検保守(法定)

規模が大きい物件の場合、受変電設備が設置されている場合に必要になる点検になります。

 

消防点検、検査(法定)

①機器点検(6ヶ月に1回)
消防用設備等の種類に応じ、消防用設備等の適正な配置、損傷、機能について、告示に定める基準に従い、

外観又は簡易な操作により確認することをいいます。

②総合点検(1年に1回)
消防用設備等の全部又は一部を告示に定める基準に従い、作動させ、総合的な機能を確認することをいいます。

 

建築設備等定期検査(法定)

建築設備(機械換気設備、排煙設備、非常用の照明装置及び給排水設備)を毎年、

検査資格者が検査し、特定行政庁に報告するものです。

 

特殊建築物等定期調査(法定)

建築設備等定期検査対象建物について敷地、建物の外部、内部の状況及び防火、避難関係を用途によって

毎年または3年ごとに調査資格者が調査し、特定行政庁に報告するものです。

 

エレベータ保守点検(法定)

すべての建築物のエレベーター(ホームエレベーターを除く)、エスカレーター、小荷物専用昇降機(テーブルタイプを除く)について、昇降機は毎年、検査資格者が検査し、特定行政庁に報告するものです。

 

日常清掃

建物の共用部分、ゴミ置場などの日常的に汚れやすい部分の清掃です。

 

定期清掃

決まった期間に回数を決め継続的に行う清掃で、共用部の洗浄・窓ガラスなど日常清掃を補完する清掃になります。物件の汚れ状況に応じて清掃を行います。

 

機械警備

火災報知機等のセンサーを設置して異常が発生した場合に、その発報を遠隔地で受信し、

警備員が現場へ急行し初期対応をとる形態の警備業務のことをいいます。

 

BM業務は専門業者に任せる事が多いので管理会社の役目としては、実施するタイミングの管理や

実施金額の妥当性や入居者の方への通知などを取り纏める事が業務となります。

特に建物の法定点検などはしっかりとしたスケジュール管理を行い確実に実施をしていく必要があります。

BM業務はハード的な部分ですので、管理会社の能力と言う部分では不動産運用に与える影響は少ないと思います。

 

今回はPM(プロパティー・マネジメント)業務について不動産運用への影響について考えて行きます。

 

PM業務が不動産運用の根幹

PM業務は一言で言うと対入居者の方に対する管理業務と言っても良いです。

この業務能力(管理能力)によって物件の運用結果は大幅に変わるのですが、

多くの大家さんは管理会社を選定する能力を持っている方も少なく、

「任せている管理会社が言う事が本当」と信じてしまっている事が多く

実際には管理能力がない会社に任せきりになっており資産価値を減らしてしまっているケースがあります。

 

それでは、PM業務について一つ一つの業務内容や重要な部分を見て行きましょう。

入居者募集

過去、他のお部屋で成約した条件、募集を始める時期、競合物件の募集状況の市場調査等を加味し

最適な賃料査定を行います。

続いて募集図面を作成してレインズやポータルサイトへの登録などを行います。

定期的に地元業者さん等へ図面をFAXやメールなどで情報を配信していきます。

 

賃貸募集の重要な点はどれだけ適切に多く募集情報を広げられるかが重要となります。

また客付けを行って貰える業者さんへのインセンティブ(広告料)などを考えながら行い、

できる限り営業マンの方が初回しやすい様に物件の内装写真、物件のポイントなどの情報を

募集図面に入れておくことや案内が入った場合にすぐに対応できる様に現地に鍵の設置しましょう。

またお部屋の印象を良く見せるためにカーテンやカーペットなどの設置などを行う事も

安価で高価がでる募集方法です。

 

入居審査・選定
お部屋に申込が入ったら入居審査を行います。

入居者本人、連帯保証人の勤務先、年収、連絡先等の調査
今では賃貸保証会社も多数ありますので、入居者さんの属性(学生、外国人、飲食業)などを

考慮して証人するか賃貸保証会社にするかなどの判断をしていく事になります。

 

保証会社が通れば誰でも良いと言う発想になる管理会社などもありますが、

後々に収入を減少させる賃料滞納に繋がったり物件の管理状況が悪化(ゴミ捨て、騒音のマナー)

してしまう事があるので、安易に審査は行わず、

物件の状況(競合物件との比較)や稼働率などを考慮しながら審査の抑揚をつける事が重要です。

稼働率が減少すれば収入も減少し背に腹は代えられないと言う部分は当然ありますが、

無秩序なスタンスで募集をしてしまうと後々痛い目を合う可能性が高くありません。

マナーが悪い入居者の方のお部屋は非常に汚れている事も多く

仮に退去時に修繕費を負担して頂いたとしても工事が必要となれば、その間の賃料の保証などは

なく時間だけがかかってしまいます。

綺麗に使用して頂いていればクリーニングだけ行い、次の募集が容易になる事が当然効率が良いです。

 

賃貸借契約の締結
審査に問題がなければ賃貸借契約書を締結します。

契約内容はもちろんの事ですが、他にも重要な書類があります。

入居時の現況確認書(ダメージチェック)→退去時にダメージなどを把握するため

鍵預証→退去の際に預けた鍵やその他の備品等をしっかり返却して頂くため

その他書類→身分証明証、連帯保証人引受証、印鑑証明証などしっかりと補完しておく

 

入金管理・賃料滞納の督促
毎月の賃料入金管理は非常に重要です。

滞納者は少しの遅れから徐々にルーズになっていき、罪悪感が徐々になくなります。

滞納者の中には開き直る方や電話などをしても、まったく出てくれない事もあります。

こうした方々には断固とした対応で督促業務を行います。

まずは電話やメールなどで通知、連絡がとれない場合は書面等による督促

それでも対応して頂けない場合、 支払督促、内容証明等の発送をする事になります。

最終的には 強制執行などによる法的手続をとります。

概ね賃料3ヶ月の滞納で法的措置を考えて行かなければなりません。

これ以上ですと入居者や連帯保証人も支払いができない可能性が非常に多くなり、

入居者の方もどうしようもできない状態に陥ってしまうためです。

多くの保証会社も3ヶ月の滞納で法的手続きに移管する事が多いです。

 

入退去の立会
物件によって(分譲マンションなど設備が多く使用方法が複雑)は入居時に立会を行い機器の説明や

共用部のルールや管理のルールなどの説明をします。

退去立会いは非常に重要な業務のひとつです。

まず入居時のチェックシートをもとに入居後に入居者の方が付けてしまったダメージを明確にしていきます。

明確になったダメージを双方で把握をし、その場で概ねの入居者負担額を明確にする事も重要です。

後からダメージ代金を言われて納得して払って貰える可能性は低くなります。

そして敷金や契約条項に基づいたクリーニング費用などを合わせて精算をしていく事になります。

この精算がうまくいかないと次の募集のための工事や募集が遅れてしまうので、しっかりとした

対応が求められます。(1ヶ月遅れれば当然、1ヶ月分の見えない収入がなくなっている事になります。)

 

修繕対応
入居中の修繕対応は様々な物があります。

水漏、エアコン故障、給湯器故障など、早急に対応しなければならない事があります。

特に上記の3つは入居者の方に不便をかけてしまう事なので、しっかりとした対応が

後の退去やトラブルなどを未然に防ぐ事ができます。

 

夏場にエアコンが壊れてしまったら・・・・

冬場にお風呂に入れなかったら・・・・

天井から水漏れが発生して家具等を破損したら・・・・

 

できる限り早く対応をして、業者の選定、保険などの対応など

的確な対応が管理会社には求められます。

 

原状回復・内装工事手配
原状回復、内装工事はいかに費用を掛けずに訴求力のある工事を行う事が重要です。

大家さんの「稼働率が低いので何か良い方法がないか?」と言う質問に

根拠のない大幅なリノベーションを提案する業者は注意が必要です。

リノベーションも費用対効果です。毎月1,000円の家賃しか上がらない

100万円かかる内装工事を行う必要があるのでしょうか。

それであれば賃料を下げたり募集条件を見直したりする方が良い結果になる事もあります。

こうした判断は管理業者のスタンスが明確にでる部分です。

特に退去立会などをアウトソーシングしてしまっている業者さんなどは

一律で内装工事を行っている事も少なくなく、本来であれば修繕で事足りる様なお部屋でも

壁紙を変更してしまったり余計な費用を掛けている事もあります。

物件の状況にもよりますが、無駄な事を行う必要はまったくないのでこうした部分も

管理会社の手腕が問われる部分です。

 

契約更新
一般的な賃貸借契約は2年が期限となります。

期限の1~2ヶ月前に更新通知を出す事になります。

やはりこの時期に退去される方が非常に多いです。

ここで退去理由などを明確にする事で今後の運用にプラスになる事もあります。

 

退去理由(移転、結婚、職場変更等)

住んでいて不便に感じた事(ゴミ出しの状況、騒音など)

などを把握しておきましょう。

 

そして更新をされた方には何かリクエスト事項がないかを確認して置く事も重要です。

入居者の方から管理会社などへリクエストをする機会は殆どありません。

入居者の方が思う「こうなったら良い」は物件にプラスになる事は非常に多く、

普段入室する事ができないお部屋の状況を知るきっかけにもなります。

 

サービスの質を上げていけば退去の減少につながり、収支の安定に繋がります。

 

一連のPM業務の本質はいかに効率良く業務を行う事につきると思います。

 

まとめ

不動産投資は運用状態→稼働率→収支という一連の流れが最終的な結果に繋がります。

入口での不動産投資のバラ色を実現するためにもこの流れを

いかに効率よく資産を運用するのはオーナーの役目であり管理業者の役目でもあります。

(当然、入り口の段階での物件を購入する目利きも非常に重要ですが、、、)

 

しかしながら売り買いだけで管理はその副産物だと思っている不動産業者が非常に多く

その部分を重要視していない大家さんも多いのが現実です。

 

筆者が今まで見てきたいくつかの不動産投資を失敗例は、

すべて管理会社の能力が問題により、収支が徐々に悪化してしまった物でした、

そのうちに投資家の方は貯金などを切り崩して元利金返済に充てていたりします。

手元資金がなれば最後は消費者金融などから借入を行い結果的に多重債務者となり、

いよいよ自己破産と言う道を選ぶ形になりました。

どこかのタイミングでしかるべき対応をし別の管理会社などへ相談ができれば、

もしかすると結果は変わっていたのだと切実に思います。

「不労所得」などの夢をみたバラ色の投資がが一転地獄です。

不動産投資はこうした側面があるという事を理解する事は非常に重要です。

 

著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉

 

不動産投資を管理業務から紐解くhttps://i1.wp.com/reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2017/08/37718336_m.jpg?fit=848%2C565https://i1.wp.com/reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2017/08/37718336_m.jpg?resize=150%2C150yodoshita賃貸管理賃貸経営アパートローンの貸出残高が過去最高を超えてから、少しづつ不動産投資への風向きが変わりつつあるようです。 「美味しい投資」と言う情報が巷では非常に多かったですが、不動産投資に関するネガティブな情報や記事が多くなってきました。「サブリース保証は続かない・・・」「郊外では稼働率70%時代の突入・・・」「相続税対策を謳ったニーズがない地域でのアパート経営・・・」 情報と言うのは今の流行りに基づいて発信されるものだと思いますので、やはり不動産投資への風向きが変わり、冷静な目で不動産投資を行う必要があると言う市場の警笛が表れているのだと思います。 不動産投資は「不労所得」「節税対策」「手元資金0円投資」など良い部分だけがクローズアップされて不動産投資の決断をしてしまう事が多いので、今回はこうした風向きが変わった市況の中で実際に不動産運用にはどんな実務が必要でどの様な事が発生して行くかを管理会社の目線で解説をさせて頂き、不動産投資の意思決定や不動産運用の意思決定のひとつの情報として役立てて頂ければと思います。 (写真=123RF)不動産投資に必要な業務 不動産管理業務は大きく分けると2つあります。BM(ビルメンテナンス)とPM(プロパティー・マネジメント)に大別されます。 BM業務の例貯水槽清掃(法定) 物件に受水槽が設置されている場合、定期的に水槽内の清掃、規模が大きい場合には1年1回水質検査を行う必要があります。  電気保安点検保守(法定) 規模が大きい物件の場合、受変電設備が設置されている場合に必要になる点検になります。  消防点検、検査(法定) ①機器点検(6ヶ月に1回) 消防用設備等の種類に応じ、消防用設備等の適正な配置、損傷、機能について、告示に定める基準に従い、外観又は簡易な操作により確認することをいいます。②総合点検(1年に1回) 消防用設備等の全部又は一部を告示に定める基準に従い、作動させ、総合的な機能を確認することをいいます。  建築設備等定期検査(法定) 建築設備(機械換気設備、排煙設備、非常用の照明装置及び給排水設備)を毎年、検査資格者が検査し、特定行政庁に報告するものです。  特殊建築物等定期調査(法定) 建築設備等定期検査対象建物について敷地、建物の外部、内部の状況及び防火、避難関係を用途によって毎年または3年ごとに調査資格者が調査し、特定行政庁に報告するものです。  エレベータ保守点検(法定) すべての建築物のエレベーター(ホームエレベーターを除く)、エスカレーター、小荷物専用昇降機(テーブルタイプを除く)について、昇降機は毎年、検査資格者が検査し、特定行政庁に報告するものです。  日常清掃 建物の共用部分、ゴミ置場などの日常的に汚れやすい部分の清掃です。  定期清掃 決まった期間に回数を決め継続的に行う清掃で、共用部の洗浄・窓ガラスなど日常清掃を補完する清掃になります。物件の汚れ状況に応じて清掃を行います。  機械警備 火災報知機等のセンサーを設置して異常が発生した場合に、その発報を遠隔地で受信し、警備員が現場へ急行し初期対応をとる形態の警備業務のことをいいます。 BM業務は専門業者に任せる事が多いので管理会社の役目としては、実施するタイミングの管理や実施金額の妥当性や入居者の方への通知などを取り纏める事が業務となります。特に建物の法定点検などはしっかりとしたスケジュール管理を行い確実に実施をしていく必要があります。BM業務はハード的な部分ですので、管理会社の能力と言う部分では不動産運用に与える影響は少ないと思います。 今回はPM(プロパティー・マネジメント)業務について不動産運用への影響について考えて行きます。  PM業務が不動産運用の根幹 PM業務は一言で言うと対入居者の方に対する管理業務と言っても良いです。この業務能力(管理能力)によって物件の運用結果は大幅に変わるのですが、多くの大家さんは管理会社を選定する能力を持っている方も少なく、「任せている管理会社が言う事が本当」と信じてしまっている事が多く実際には管理能力がない会社に任せきりになっており資産価値を減らしてしまっているケースがあります。 それでは、PM業務について一つ一つの業務内容や重要な部分を見て行きましょう。入居者募集 過去、他のお部屋で成約した条件、募集を始める時期、競合物件の募集状況の市場調査等を加味し最適な賃料査定を行います。続いて募集図面を作成してレインズやポータルサイトへの登録などを行います。定期的に地元業者さん等へ図面をFAXやメールなどで情報を配信していきます。 賃貸募集の重要な点はどれだけ適切に多く募集情報を広げられるかが重要となります。また客付けを行って貰える業者さんへのインセンティブ(広告料)などを考えながら行い、できる限り営業マンの方が初回しやすい様に物件の内装写真、物件のポイントなどの情報を募集図面に入れておくことや案内が入った場合にすぐに対応できる様に現地に鍵の設置しましょう。またお部屋の印象を良く見せるためにカーテンやカーペットなどの設置などを行う事も安価で高価がでる募集方法です。 入居審査・選定 お部屋に申込が入ったら入居審査を行います。入居者本人、連帯保証人の勤務先、年収、連絡先等の調査 今では賃貸保証会社も多数ありますので、入居者さんの属性(学生、外国人、飲食業)などを考慮して証人するか賃貸保証会社にするかなどの判断をしていく事になります。 保証会社が通れば誰でも良いと言う発想になる管理会社などもありますが、後々に収入を減少させる賃料滞納に繋がったり物件の管理状況が悪化(ゴミ捨て、騒音のマナー)してしまう事があるので、安易に審査は行わず、物件の状況(競合物件との比較)や稼働率などを考慮しながら審査の抑揚をつける事が重要です。稼働率が減少すれば収入も減少し背に腹は代えられないと言う部分は当然ありますが、無秩序なスタンスで募集をしてしまうと後々痛い目を合う可能性が高くありません。マナーが悪い入居者の方のお部屋は非常に汚れている事も多く仮に退去時に修繕費を負担して頂いたとしても工事が必要となれば、その間の賃料の保証などはなく時間だけがかかってしまいます。綺麗に使用して頂いていればクリーニングだけ行い、次の募集が容易になる事が当然効率が良いです。 賃貸借契約の締結 審査に問題がなければ賃貸借契約書を締結します。契約内容はもちろんの事ですが、他にも重要な書類があります。入居時の現況確認書(ダメージチェック)→退去時にダメージなどを把握するため鍵預証→退去の際に預けた鍵やその他の備品等をしっかり返却して頂くためその他書類→身分証明証、連帯保証人引受証、印鑑証明証などしっかりと補完しておく 入金管理・賃料滞納の督促 毎月の賃料入金管理は非常に重要です。滞納者は少しの遅れから徐々にルーズになっていき、罪悪感が徐々になくなります。滞納者の中には開き直る方や電話などをしても、まったく出てくれない事もあります。こうした方々には断固とした対応で督促業務を行います。まずは電話やメールなどで通知、連絡がとれない場合は書面等による督促それでも対応して頂けない場合、 支払督促、内容証明等の発送をする事になります。最終的には 強制執行などによる法的手続をとります。概ね賃料3ヶ月の滞納で法的措置を考えて行かなければなりません。これ以上ですと入居者や連帯保証人も支払いができない可能性が非常に多くなり、入居者の方もどうしようもできない状態に陥ってしまうためです。多くの保証会社も3ヶ月の滞納で法的手続きに移管する事が多いです。 入退去の立会 物件によって(分譲マンションなど設備が多く使用方法が複雑)は入居時に立会を行い機器の説明や共用部のルールや管理のルールなどの説明をします。退去立会いは非常に重要な業務のひとつです。まず入居時のチェックシートをもとに入居後に入居者の方が付けてしまったダメージを明確にしていきます。明確になったダメージを双方で把握をし、その場で概ねの入居者負担額を明確にする事も重要です。後からダメージ代金を言われて納得して払って貰える可能性は低くなります。そして敷金や契約条項に基づいたクリーニング費用などを合わせて精算をしていく事になります。この精算がうまくいかないと次の募集のための工事や募集が遅れてしまうので、しっかりとした対応が求められます。(1ヶ月遅れれば当然、1ヶ月分の見えない収入がなくなっている事になります。) 修繕対応 入居中の修繕対応は様々な物があります。水漏、エアコン故障、給湯器故障など、早急に対応しなければならない事があります。特に上記の3つは入居者の方に不便をかけてしまう事なので、しっかりとした対応が後の退去やトラブルなどを未然に防ぐ事ができます。 夏場にエアコンが壊れてしまったら・・・・冬場にお風呂に入れなかったら・・・・天井から水漏れが発生して家具等を破損したら・・・・ できる限り早く対応をして、業者の選定、保険などの対応など的確な対応が管理会社には求められます。 原状回復・内装工事手配 原状回復、内装工事はいかに費用を掛けずに訴求力のある工事を行う事が重要です。大家さんの「稼働率が低いので何か良い方法がないか?」と言う質問に根拠のない大幅なリノベーションを提案する業者は注意が必要です。リノベーションも費用対効果です。毎月1,000円の家賃しか上がらない100万円かかる内装工事を行う必要があるのでしょうか。それであれば賃料を下げたり募集条件を見直したりする方が良い結果になる事もあります。こうした判断は管理業者のスタンスが明確にでる部分です。特に退去立会などをアウトソーシングしてしまっている業者さんなどは一律で内装工事を行っている事も少なくなく、本来であれば修繕で事足りる様なお部屋でも壁紙を変更してしまったり余計な費用を掛けている事もあります。物件の状況にもよりますが、無駄な事を行う必要はまったくないのでこうした部分も管理会社の手腕が問われる部分です。 契約更新 一般的な賃貸借契約は2年が期限となります。期限の1~2ヶ月前に更新通知を出す事になります。やはりこの時期に退去される方が非常に多いです。ここで退去理由などを明確にする事で今後の運用にプラスになる事もあります。 退去理由(移転、結婚、職場変更等)住んでいて不便に感じた事(ゴミ出しの状況、騒音など)などを把握しておきましょう。 そして更新をされた方には何かリクエスト事項がないかを確認して置く事も重要です。入居者の方から管理会社などへリクエストをする機会は殆どありません。入居者の方が思う「こうなったら良い」は物件にプラスになる事は非常に多く、普段入室する事ができないお部屋の状況を知るきっかけにもなります。 サービスの質を上げていけば退去の減少につながり、収支の安定に繋がります。 一連のPM業務の本質はいかに効率良く業務を行う事につきると思います。  まとめ 不動産投資は運用状態→稼働率→収支という一連の流れが最終的な結果に繋がります。入口での不動産投資のバラ色を実現するためにもこの流れをいかに効率よく資産を運用するのはオーナーの役目であり管理業者の役目でもあります。(当然、入り口の段階での物件を購入する目利きも非常に重要ですが、、、) しかしながら売り買いだけで管理はその副産物だと思っている不動産業者が非常に多くその部分を重要視していない大家さんも多いのが現実です。 筆者が今まで見てきたいくつかの不動産投資を失敗例は、すべて管理会社の能力が問題により、収支が徐々に悪化してしまった物でした、そのうちに投資家の方は貯金などを切り崩して元利金返済に充てていたりします。手元資金がなれば最後は消費者金融などから借入を行い結果的に多重債務者となり、いよいよ自己破産と言う道を選ぶ形になりました。どこかのタイミングでしかるべき対応をし別の管理会社などへ相談ができれば、もしかすると結果は変わっていたのだと切実に思います。「不労所得」などの夢をみたバラ色の投資がが一転地獄です。不動産投資はこうした側面があるという事を理解する事は非常に重要です。 著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉 ~次世代のための賃貸経営情報~
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