なぜ不動産投資で破綻したのか!?
不動産投資を行う上で失敗なんて考えたくない。
それが本音だと思いますが、不動産投資が投資である以上、リスクを考えて投資をしなければなりません。
今回は実際に不動産投資の失敗事例を紹介しながら、
結果的に何がいけなかったか?
どの様な考え方を持てば良かったか?
失敗を防ぐ事が出来たのか?
について考えて行きたいと思います。
失敗をしてしまった経緯
某大手上場企業に勤めるSさん、勤務期間も10年を超え、
金融機関からみれば非常に信用力が高く属性が良い部類に入ります。
そんなSさんが不動産投資を始めるきっかけになったのは一本の電話でした。
会社勤務をしている中で将来についての不安を漠然と考えていた時の矢先でした。
営業マン「突然のお電話で・・・・将来の年金代わりになる不動産投資を紹介している会社です・・・」
Sさん「不動産投資はリスクがあり危険なのでは・・・」
営業マン「大丈夫です!実際には入居者の方の賃料が銀行への弁済をしてくれて・・・・
初年度は税金還付も受けられます・・・・新築なので入居者もすぐ決まります・・・・」
この様な話がされていたのだと思います。
ここでSさんは最初の大きな過ちを犯したと言っても過言ではありません。
Sさんは失敗する可能性の高い新築ワンルームマンションの投資からスタートを切ってしまったのです。
余りにも簡単に不動産投資がスタートできた事により、Sさんは若干拍子抜け、
入居者がきまり毎月賃料が入り、その賃料で元利金の返済が行われる。
手許に残るのは数千円、不動産投資は「リスクが低く資産形成ができる美味しい投資」と考えたのかもしれません。
そして物足りなさも感じて簡単にできてリスクも低いと考えたのが第2の過ちです。
なんと1年も経過しないうちに別の新築ワンルームを購入しました。
そうして、この様な考えの基で3部屋4部屋と新築ワンルームマンション投資が初めてしまいました。
金融機関もSさんの信用力なら問題ないと判断をしてこれだけの短期間に融資を実施したのだと思います。
気が付くとSさんは1億円を超える借金を抱えていました。
そして最後の第3の過ちをします。
ワンルーム投資はシングルテナントなので退去したら募集する1~3ヶ月収入がありません。
時期も悪ければさらに長期的に収入が発生しない事もあります。
そんな中でもマンションにかかる管理費や修繕積立金、そして元利金弁済、固定資産税も
かかってくる事になり、わずか数部屋のワンルーム投資では収入の安定を確保する事は難し状況です。
そうした不安定な投資に不安を覚え、もう少し安定する不動産投資を行いたいと考えたのだと思います。
不幸にもまだ金融機関がSさんに対して信用枠が残っていると判断した事もマイナスになりました。
Sさんは次にアパート一棟を表面的に利回りが高い郊外の物件を購入してしまいました。
ここでも簡単に物件を購入できてしまう事でさらにリスクを増やしてしまった事に繋がりました。
最初の投資からここまでわずか数年の出来事です。
数年の間にSさんは年収の10倍を超える数億と言う借金を抱えてしまいました。
仮に1億円を借入をして元利均等、30年、固定金利3.0%の毎月の返済額は約42万円です。
サラリーマンの方の実際の手取(可処分所得)を考えると年収1,000万円の方でも生活ができない状況に陥ります。
当然、稼働率0%と言う事はないので、いくらかの家賃収入が入りますが、
他にも黙ってても払わなくてはいけない、ワンルームマンションでは管理費、修繕積立金
一棟アパートであれば修繕費、空室の募集費用、内装費用
そして共通にかかる固都税、保険料など、収入から差し引かれてしまう支出は非常に多くあります。
こうした支出と元利金を考えると不動産投資のリスクの大きさが読者の皆様にも容易にわかると思います。
物件を購入してから数年、恐らく稼働率変動や支出に苦しみながら、貯蓄などを取崩し何とか数年保有し
続けましたが、いよいよ限界がきてしまった様です。
この限界になったきっかけがアパートローン以外にカードローンに手を付け始めてしまいました。
カードローンの返済はアパートローンと比較をすると非常に短期で弁済をしなければならないため、
ついには多重債務者として首が回らなくなってしまいました。
今回の失敗は何であったのか
Sさんが失敗してしまった原因は2つあると思います。
まず一つ目新築ワンルームマンションに投資をしてしまった。
ワンルームマンション投資のポイント
・安易にできてしまい
・空室があっても持出に耐えられる
ワンルーム投資は将来の資産を築くために家賃収入をコツコツ貯金をしている様なもので、
不動産投資を行ったからと言って毎月収入は殆ど変わらず生活水準なども
まったく変わらないので、不動産投資を行っているという実感も少なく、
2戸、3戸と安易に増やしてしまった事です。
売却したくても購入価格の7割程度でしか売却できないので、
数が多ければ多い程、マイナスの額が大きくなります。
もうひとつの原因は
購入する際に金融条件や物件の吟味などを一切せずに新築ワンルーム業者や
収支が見れない業者の言いなりでアパートを購入してしまった点です。
この二つの原因から考えると
不動産投資はコツコツ行うもので収支をある程度予想できない資産保有してしまう事は
非常に大きなリスクとなる。
また金融機関から借入が安易にできてしまった不動産投資ブームも影響をしています。
ワンルーム投資やぼろ物件の借入金利は3%を超えている事が殆どで、
この金利では誰を食べさせるための投資かわかりません。
どんな行動をすれば失敗しなかったか
こうした投資を行わなければ失敗をしないと言えばそれまでですが、
Sさんが危ないと思い始めた時に何かしらの対策を取っていれば破綻を防ぐ事ができのたのか
考えたいと思います。
まず破綻のきっかけとなった一棟アパートの管理会社などの変更を検討する事から始めます。
破綻のきっかけとなったアパートは当初の頃より稼働率は大幅に低下をしており、
新たな募集もままならない状態でした。
恐らく管理会社は売り買い専門の会社で管理業務を行った事がない業者だったのだと思います。
賃料回収もしっかり行われていなく、大よそ業務委託を受けている管理会社とは思えない様な
対応をさせていました。
もしSさんが管理会社の対応がおかしいと早めに気が付いて新たな管理会社に任せる事ができていれば。
またしっかりと相談ができていれば、方向性は確実に変わっていたと思います。
次に金融機関へ利息の減額や元金返済の猶予の相談をする。
金融機関としても本音は破産はできれば防ぎたい所です。
しかしながら、殆どの方はもうどうし様もない状態になり始めてそうした話をしてくる様です。
しっかりとしたプランがあれば金利減額や弁済の先延ばしなどの検討ができると
実際に金融機関の担当者も話しています。
まとめ
不動産投資は購入時に仲介業者さんは何とか買わせようと良い事ばかりを言いますが、
実際に結果がついてこなくても責任を負うのは仲介会社でも管理会社でもありません。
すべての責任は投資をされた方にあります。
しかしながら投資をされる方の不動産投資への能力がどうかと言うと、
まったく無知な状態で投資をされている方も少なくありません。
保有期間中に何が良くて何が悪いなどの判断すらつかない事もあります。
だからこそ不動産投資を行う上で重要なのはエージェントの能力だと思います。
優秀なエージェントは顧客が損する事に非常に敏感です。
一次的な利益よりも将来長い付き合いの中で収入を得ようとしているのも事実だと思います。
こうしたエージェントに出会えるのは運もひとつの要素だと思いますが、
見極める能力などは投資家の方にも必要な事です。
https://reibee.japan-am-service.com/%e3%81%aa%e3%81%9c%e4%b8%8d%e5%8b%95%e7%94%a3%e6%8a%95%e8%b3%87%e3%81%a7%e7%a0%b4%e7%b6%bb%e3%81%97%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%81%ef%bc%9f/https://reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2017/08/48468956_ml-1024x791.jpghttps://reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2017/08/48468956_ml-150x150.jpg賃貸経営不動産投資を行う上で失敗なんて考えたくない。 それが本音だと思いますが、不動産投資が投資である以上、リスクを考えて投資をしなければなりません。 今回は実際に不動産投資の失敗事例を紹介しながら、 結果的に何がいけなかったか? どの様な考え方を持てば良かったか? 失敗を防ぐ事が出来たのか? について考えて行きたいと思います。 (写真=123RF) 失敗をしてしまった経緯 某大手上場企業に勤めるSさん、勤務期間も10年を超え、 金融機関からみれば非常に信用力が高く属性が良い部類に入ります。 そんなSさんが不動産投資を始めるきっかけになったのは一本の電話でした。 会社勤務をしている中で将来についての不安を漠然と考えていた時の矢先でした。 営業マン「突然のお電話で・・・・将来の年金代わりになる不動産投資を紹介している会社です・・・」 Sさん「不動産投資はリスクがあり危険なのでは・・・」 営業マン「大丈夫です!実際には入居者の方の賃料が銀行への弁済をしてくれて・・・・ 初年度は税金還付も受けられます・・・・新築なので入居者もすぐ決まります・・・・」 この様な話がされていたのだと思います。 ここでSさんは最初の大きな過ちを犯したと言っても過言ではありません。 Sさんは失敗する可能性の高い新築ワンルームマンションの投資からスタートを切ってしまったのです。 (参照:新築ワンルーム投資の成功率は〇%) 余りにも簡単に不動産投資がスタートできた事により、Sさんは若干拍子抜け、 入居者がきまり毎月賃料が入り、その賃料で元利金の返済が行われる。 手許に残るのは数千円、不動産投資は「リスクが低く資産形成ができる美味しい投資」と考えたのかもしれません。 そして物足りなさも感じて簡単にできてリスクも低いと考えたのが第2の過ちです。 なんと1年も経過しないうちに別の新築ワンルームを購入しました。 そうして、この様な考えの基で3部屋4部屋と新築ワンルームマンション投資が初めてしまいました。 金融機関もSさんの信用力なら問題ないと判断をしてこれだけの短期間に融資を実施したのだと思います。 気が付くとSさんは1億円を超える借金を抱えていました。 そして最後の第3の過ちをします。 ワンルーム投資はシングルテナントなので退去したら募集する1~3ヶ月収入がありません。 時期も悪ければさらに長期的に収入が発生しない事もあります。 そんな中でもマンションにかかる管理費や修繕積立金、そして元利金弁済、固定資産税も かかってくる事になり、わずか数部屋のワンルーム投資では収入の安定を確保する事は難し状況です。 そうした不安定な投資に不安を覚え、もう少し安定する不動産投資を行いたいと考えたのだと思います。 不幸にもまだ金融機関がSさんに対して信用枠が残っていると判断した事もマイナスになりました。 Sさんは次にアパート一棟を表面的に利回りが高い郊外の物件を購入してしまいました。 ここでも簡単に物件を購入できてしまう事でさらにリスクを増やしてしまった事に繋がりました。 最初の投資からここまでわずか数年の出来事です。 数年の間にSさんは年収の10倍を超える数億と言う借金を抱えてしまいました。 仮に1億円を借入をして元利均等、30年、固定金利3.0%の毎月の返済額は約42万円です。 サラリーマンの方の実際の手取(可処分所得)を考えると年収1,000万円の方でも生活ができない状況に陥ります。 当然、稼働率0%と言う事はないので、いくらかの家賃収入が入りますが、 他にも黙ってても払わなくてはいけない、ワンルームマンションでは管理費、修繕積立金 一棟アパートであれば修繕費、空室の募集費用、内装費用 そして共通にかかる固都税、保険料など、収入から差し引かれてしまう支出は非常に多くあります。 こうした支出と元利金を考えると不動産投資のリスクの大きさが読者の皆様にも容易にわかると思います。 物件を購入してから数年、恐らく稼働率変動や支出に苦しみながら、貯蓄などを取崩し何とか数年保有し 続けましたが、いよいよ限界がきてしまった様です。 この限界になったきっかけがアパートローン以外にカードローンに手を付け始めてしまいました。 カードローンの返済はアパートローンと比較をすると非常に短期で弁済をしなければならないため、 ついには多重債務者として首が回らなくなってしまいました。 今回の失敗は何であったのか Sさんが失敗してしまった原因は2つあると思います。 まず一つ目新築ワンルームマンションに投資をしてしまった。 ワンルームマンション投資のポイント ・安易にできてしまい ・空室があっても持出に耐えられる ワンルーム投資は将来の資産を築くために家賃収入をコツコツ貯金をしている様なもので、 不動産投資を行ったからと言って毎月収入は殆ど変わらず生活水準なども まったく変わらないので、不動産投資を行っているという実感も少なく、 2戸、3戸と安易に増やしてしまった事です。 売却したくても購入価格の7割程度でしか売却できないので、 数が多ければ多い程、マイナスの額が大きくなります。 もうひとつの原因は 購入する際に金融条件や物件の吟味などを一切せずに新築ワンルーム業者や 収支が見れない業者の言いなりでアパートを購入してしまった点です。 この二つの原因から考えると 不動産投資はコツコツ行うもので収支をある程度予想できない資産保有してしまう事は 非常に大きなリスクとなる。 また金融機関から借入が安易にできてしまった不動産投資ブームも影響をしています。 ワンルーム投資やぼろ物件の借入金利は3%を超えている事が殆どで、 この金利では誰を食べさせるための投資かわかりません。 (参照:金利4.5%で大丈夫?) どんな行動をすれば失敗しなかったか こうした投資を行わなければ失敗をしないと言えばそれまでですが、 Sさんが危ないと思い始めた時に何かしらの対策を取っていれば破綻を防ぐ事ができのたのか 考えたいと思います。 まず破綻のきっかけとなった一棟アパートの管理会社などの変更を検討する事から始めます。 破綻のきっかけとなったアパートは当初の頃より稼働率は大幅に低下をしており、 新たな募集もままならない状態でした。 恐らく管理会社は売り買い専門の会社で管理業務を行った事がない業者だったのだと思います。 賃料回収もしっかり行われていなく、大よそ業務委託を受けている管理会社とは思えない様な 対応をさせていました。 もしSさんが管理会社の対応がおかしいと早めに気が付いて新たな管理会社に任せる事ができていれば。 またしっかりと相談ができていれば、方向性は確実に変わっていたと思います。 次に金融機関へ利息の減額や元金返済の猶予の相談をする。 金融機関としても本音は破産はできれば防ぎたい所です。 しかしながら、殆どの方はもうどうし様もない状態になり始めてそうした話をしてくる様です。 しっかりとしたプランがあれば金利減額や弁済の先延ばしなどの検討ができると 実際に金融機関の担当者も話しています。 まとめ 不動産投資は購入時に仲介業者さんは何とか買わせようと良い事ばかりを言いますが、 実際に結果がついてこなくても責任を負うのは仲介会社でも管理会社でもありません。 すべての責任は投資をされた方にあります。 しかしながら投資をされる方の不動産投資への能力がどうかと言うと、 まったく無知な状態で投資をされている方も少なくありません。 保有期間中に何が良くて何が悪いなどの判断すらつかない事もあります。 だからこそ不動産投資を行う上で重要なのはエージェントの能力だと思います。 優秀なエージェントは顧客が損する事に非常に敏感です。 一次的な利益よりも将来長い付き合いの中で収入を得ようとしているのも事実だと思います。 こうしたエージェントに出会えるのは運もひとつの要素だと思いますが、 見極める能力などは投資家の方にも必要な事です。 著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉 reibee-japan-am-service日本AMサービス y.dst0403@gmail.comAdministratorReibee~次世代のための賃貸経営情報~
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