2018年度年明けから新築シェアハウス問題で持ちきりになっている不動産投資市場です。

2月19日付で日本弁護士連合会は

「サブリースを前提とするアパート等の建設勧誘の際の規制強化を求める意見書」

国土交通大臣と金融担当大臣に提出しています。

以前よりサブリース契約の賃料減額問題などが騒がれている中で、今回の一件で

社会問題化したと言っても良い状況です。

残念ながら今回のケースはまったく収支が合わない不動産投資で

おおよそ実態の利回りでは元利金返済すらもできない水準の物件でした。

それにも関わらず業者のリスク説明などは殆どなく「バラ色」の部分だけを見せて

800人近い人たちにシェアハウスを購入させていた様です。

この問題は不動産投資市場に大きな影響を与えた事は言うまでもありません。

本日はこうした事件がどの様に不動産投資市場に影響を与えていくか解説をします。

市場に出てくる物件情報

この問題が発生してから肌身で感じるのですが、物件情報や物件紹介が大幅に増えた様に

思います。恐らくそう感じられている不動産投資家の方も多いと思います。

昨年度の数が1とするとこの問題が明るみになってからは3~4位になったと思います。

物件の内容は築古(20年以上)か新築で10年位の物件は非常に少ないです。

明かな物件情報の量の変化に今回の問題が不動産投資市場に影響がでてきていると

考えずにはいられません。

こうした物件情報の増加が意味する事は、物件を選ぶ機会が増えたという事になります。

今まではすぐに物件が売却されてしまったので、物件情報も少なかったと思いますが、

そうではなくなったため物件数も増えていると考える事ができます。

 

金融機関の動向

今回の様な多数の不動産投資家の方のデフォルトする可能性があると言う問題が発生すると

金融機関も安易に不動産投資に対して融資を行う事ができにくくななります。

今回の事件やここ数年の不動産投資家の代表格はサラリーマンの方が多く

サラリーマン所得などを裏付けにし、不動産自体の収支部分の評価は甘く見積もっていた

ケースも多くみられる例が多いです。

特に金利の面でもプロの不動産投資家では考えられない位の高金利なども多く、

融資スタンスが緩いかわりに金利を高くすると言う状態であったと思います。

甘い言葉に右も左も分からないサラリーマン投資家に融資とセットで

ろくにリスク説明もされずに投資を始めさせた業者も業者ですが、

それを黙認して融資をしていた金融機関にも少なからず原因があるのは明らかなので

今後は金融機関もサラリーマン投資家の方への融資自体を見直さざるを負えないと

思います。

 

実際にお会いした金融機関の担当も「物件のキャッシュフローで回る物件」と

何度も言っていました。

余程、他の要素(サラリーマン所得)で融資をしていたのだなぁと思ってしまいます。

不動産投資は金融機関からの融資を受けて行うのが基本なので、融資の蛇口を締められて

しまうと当然、購入できる人数が減ります。

人数が減ると言う事は需要が減るという事なので、市場に出ている物件(供給)を吸収する

マーケット規模がないと、当然、売主サイドは価格を下げる傾向になります。

例えばアパート建売業者さんであれば1年位の融資で土地、建設費を賄っているので、

借入返済のためには価格を下げて(利益を減らして)も売却しなければならないケースも

あるでしょうし、

既にローンの返済に苦境に立っている不動産投資家の中で売り逃げをしようとしている方

であれば、市場価格が下がると感じ始めれば、おのずとそれに合わせて価格を下げて

売却をしなくてはならないと考える事もあります。

こうした状況の連鎖が金融機関の不動産投資に係わる融資の方針にさらに悪い影響を与えます。

そして今までの不動産市場と逆の作用を生み価格が下がる傾向になると予想できます。

 

バブル?バブルでない?

巷では「バブル崩壊」「リーマンショック」の様な状態ではないと言う方もおりますが、

重要な事は需給バランスで需要者が少なくなれば、その需要に合わせて

供給が調整されるまで価格は下がります。

何割価格が下がれば「バブル」でそうでないかもわかりませんが、

ここ数年で不動産投資をされている方で1~2割も市場価格が下がれば、

恐らく多くの方が売却をしても元利金を返済できないレベルになると思います。

特にフルローンで購入していれば、市場価格の変化に大きな影響を受ける事になります。

バブルがどうのと言うのではなく、重要な事は不動産投資をされている方の状況で、

そのマインドの変化が市場に与える影響が多いという事だと思います。

今回の影響で今まで業者がカモにしてきた素人大家さんの不動産投資への道は

大分狭くなるという事は言うまでもないと思います。

 

※利回感で物件価格を考えてみましょう※

購入時:1億円 表面利回9% 年家賃収収900万円 経費などは考慮しない

物件価格が下落=利回り感が上がったとすると

仮に10%が同一物件の市場価格になると900万円÷10%=9,000万円

10.5%になると 900万円÷10.5%=約8,570万円

この様に1.5%市場の利回感が変わると1,500万円近く価格が変動するのです。

1億円で購入した方にとっては「バブルで購入」と言ってもおかしくないレベルです。

 

これからの不動産投資へのマインド変化

ここまで少子化は日本の人口問題、空き家問題が騒がれていても東京オリンピックや

アベノミクスなどの営業トークで不動産投資を行ってきたが本当に多くいたと思います。

今後は少なくとも上記で述べたリスクを大きく気にする方が増え冷静な判断で

不動産投資が行われる事になって行く様に思います。

そのため先にも述べましたが投資家の方のリスク嗜好の減退は否めないと思います。

また一定の収入を超えないサラリーマンの方が不動産投資を行える可能性は

低くなっていく様に思います。

 

おわりに

不動産価格は需給バランスに大きく影響をします。

本来であれば人口動向に対しての総住戸数などのバランスですが、

不動産投資においては、こうした部分が無視されて価格が上がる事は何度もあります。

これは投資家のリスク嗜好や金融機関の貸出姿勢の動向に大きく影響しています。

「バブル」「リーマンショック」時の共通点は実態を見向きもせずに、

「儲かれば良い」と言う考え方が非常に強かった点にあると思います。

 

当然の事ながら今回の影響により、不動産投資が様々な観点から見直される事になり、

市場は調整されて行くと思います。

 

それでもピンチの中にはチャンスがあります。こうした時期に不動産投資で成功される方が

いらっしゃるのも事実です!

読者の皆様は今回の事でどの様な方針で不動産投資を考えますか?

 

※免責事項※

本文に記載されている内容は、日本AMサービスが独自に信頼するに足ると判断した情報に依拠しており、その内容の正確性、完全性、合理性及び妥当性(作成日現在、将来においても問わない)について、日本AMサービス、その関係者は何ら表明又は保証を行うものではなく、本文記載の情報の正確性又は完全性について、一切の責任を負うものではありませんので予めご了承下さい。

 

著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉

 

ご質問・お問い合わせは下記のフォームよりお気軽にお伝え下さい。

 

 

 

 

不動産投資を学ぶ(需給バランス)https://reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2018/02/6032206_l-1024x680.jpghttps://reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2018/02/6032206_l-150x150.jpgreibee-japan-am-service不動産マーケット2018年度年明けから新築シェアハウス問題で持ちきりになっている不動産投資市場です。 2月19日付で日本弁護士連合会は 「サブリースを前提とするアパート等の建設勧誘の際の規制強化を求める意見書」を 国土交通大臣と金融担当大臣に提出しています。 以前よりサブリース契約の賃料減額問題などが騒がれている中で、今回の一件で 社会問題化したと言っても良い状況です。 残念ながら今回のケースはまったく収支が合わない不動産投資で おおよそ実態の利回りでは元利金返済すらもできない水準の物件でした。 それにも関わらず業者のリスク説明などは殆どなく「バラ色」の部分だけを見せて 800人近い人たちにシェアハウスを購入させていた様です。 この問題は不動産投資市場に大きな影響を与えた事は言うまでもありません。 本日はこうした事件がどの様に不動産投資市場に影響を与えていくか解説をします。 市場に出てくる物件情報 この問題が発生してから肌身で感じるのですが、物件情報や物件紹介が大幅に増えた様に 思います。恐らくそう感じられている不動産投資家の方も多いと思います。 昨年度の数が1とするとこの問題が明るみになってからは3~4位になったと思います。 物件の内容は築古(20年以上)か新築で10年位の物件は非常に少ないです。 明かな物件情報の量の変化に今回の問題が不動産投資市場に影響がでてきていると 考えずにはいられません。 こうした物件情報の増加が意味する事は、物件を選ぶ機会が増えたという事になります。 今まではすぐに物件が売却されてしまったので、物件情報も少なかったと思いますが、 そうではなくなったため物件数も増えていると考える事ができます。   金融機関の動向 今回の様な多数の不動産投資家の方のデフォルトする可能性があると言う問題が発生すると 金融機関も安易に不動産投資に対して融資を行う事ができにくくななります。 今回の事件やここ数年の不動産投資家の代表格はサラリーマンの方が多く サラリーマン所得などを裏付けにし、不動産自体の収支部分の評価は甘く見積もっていた ケースも多くみられる例が多いです。 特に金利の面でもプロの不動産投資家では考えられない位の高金利なども多く、 融資スタンスが緩いかわりに金利を高くすると言う状態であったと思います。 甘い言葉に右も左も分からないサラリーマン投資家に融資とセットで ろくにリスク説明もされずに投資を始めさせた業者も業者ですが、 それを黙認して融資をしていた金融機関にも少なからず原因があるのは明らかなので 今後は金融機関もサラリーマン投資家の方への融資自体を見直さざるを負えないと 思います。   実際にお会いした金融機関の担当も「物件のキャッシュフローで回る物件」と 何度も言っていました。 余程、他の要素(サラリーマン所得)で融資をしていたのだなぁと思ってしまいます。 不動産投資は金融機関からの融資を受けて行うのが基本なので、融資の蛇口を締められて しまうと当然、購入できる人数が減ります。 人数が減ると言う事は需要が減るという事なので、市場に出ている物件(供給)を吸収する マーケット規模がないと、当然、売主サイドは価格を下げる傾向になります。 例えばアパート建売業者さんであれば1年位の融資で土地、建設費を賄っているので、 借入返済のためには価格を下げて(利益を減らして)も売却しなければならないケースも あるでしょうし、 既にローンの返済に苦境に立っている不動産投資家の中で売り逃げをしようとしている方 であれば、市場価格が下がると感じ始めれば、おのずとそれに合わせて価格を下げて 売却をしなくてはならないと考える事もあります。 こうした状況の連鎖が金融機関の不動産投資に係わる融資の方針にさらに悪い影響を与えます。 そして今までの不動産市場と逆の作用を生み価格が下がる傾向になると予想できます。   バブル?バブルでない? 巷では「バブル崩壊」「リーマンショック」の様な状態ではないと言う方もおりますが、 重要な事は需給バランスで需要者が少なくなれば、その需要に合わせて 供給が調整されるまで価格は下がります。 何割価格が下がれば「バブル」でそうでないかもわかりませんが、 ここ数年で不動産投資をされている方で1~2割も市場価格が下がれば、 恐らく多くの方が売却をしても元利金を返済できないレベルになると思います。 特にフルローンで購入していれば、市場価格の変化に大きな影響を受ける事になります。 バブルがどうのと言うのではなく、重要な事は不動産投資をされている方の状況で、 そのマインドの変化が市場に与える影響が多いという事だと思います。 今回の影響で今まで業者がカモにしてきた素人大家さんの不動産投資への道は 大分狭くなるという事は言うまでもないと思います。   ※利回感で物件価格を考えてみましょう※ 購入時:1億円 表面利回9% 年家賃収収900万円 経費などは考慮しない 物件価格が下落=利回り感が上がったとすると 仮に10%が同一物件の市場価格になると900万円÷10%=9,000万円 10.5%になると 900万円÷10.5%=約8,570万円 この様に1.5%市場の利回感が変わると1,500万円近く価格が変動するのです。 1億円で購入した方にとっては「バブルで購入」と言ってもおかしくないレベルです。   これからの不動産投資へのマインド変化 ここまで少子化は日本の人口問題、空き家問題が騒がれていても東京オリンピックや アベノミクスなどの営業トークで不動産投資を行ってきたが本当に多くいたと思います。 今後は少なくとも上記で述べたリスクを大きく気にする方が増え冷静な判断で 不動産投資が行われる事になって行く様に思います。 そのため先にも述べましたが投資家の方のリスク嗜好の減退は否めないと思います。 また一定の収入を超えないサラリーマンの方が不動産投資を行える可能性は 低くなっていく様に思います。   おわりに 不動産価格は需給バランスに大きく影響をします。 本来であれば人口動向に対しての総住戸数などのバランスですが、 不動産投資においては、こうした部分が無視されて価格が上がる事は何度もあります。 これは投資家のリスク嗜好や金融機関の貸出姿勢の動向に大きく影響しています。 「バブル」「リーマンショック」時の共通点は実態を見向きもせずに、 「儲かれば良い」と言う考え方が非常に強かった点にあると思います。   当然の事ながら今回の影響により、不動産投資が様々な観点から見直される事になり、 市場は調整されて行くと思います。   それでもピンチの中にはチャンスがあります。こうした時期に不動産投資で成功される方が いらっしゃるのも事実です! 読者の皆様は今回の事でどの様な方針で不動産投資を考えますか?   ※免責事項※ 本文に記載されている内容は、日本AMサービスが独自に信頼するに足ると判断した情報に依拠しており、その内容の正確性、完全性、合理性及び妥当性(作成日現在、将来においても問わない)について、日本AMサービス、その関係者は何ら表明又は保証を行うものではなく、本文記載の情報の正確性又は完全性について、一切の責任を負うものではありませんので予めご了承下さい。   著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉   ご質問・お問い合わせは下記のフォームよりお気軽にお伝え下さい。        不動産投資成功のノウハウを解説します
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