相続対策に不動産を購入しているケースは非常に多いです。

しかしながらアパートなどの賃貸経営が必要となる不動産の場合、相続人の方にもある程度の知識等がなければ

相続をしてもうまく運用できなかったり、管理会社に言いなりになり収益を上げる事ができず、資産としての価値が残らない可能性があります。

(写真=123RF)

アパート相続の重要な3つのポイント

  1. 相続するアパートの資産性を考える
  2. 相続するアパートの将来的な運用計画を考える
  3. 資産入替を考慮した相続を考える

 

1.相続するアパートの資産性を考える

アパート経営は収益と費用のバランスを考慮する事が大切です。

相続対策のために購入したアパートであれば金融機関からの借入もあるので、

元利金返済などを考慮する事も必要になります。

 

アパート経営にかかる費用

建物管理費 
建物の管理BM費(日常清掃費、法定点検費など)、入居者管理のPM費(入退去業務、賃料回収など)

水道光熱費
共用部の電気、水道等の使用料

広告料
賃貸募集を依頼をして、客付が出来た際に支払う報酬

修繕費
建物、設備等の修繕費

原状回復費
退去した部屋の修繕費

大規模修繕費
外壁修繕、外壁塗装、屋上防水等の大規模にかかる費用

減価償却費
建物、設備の購入価格を耐用年数に応じて各期間に割り当てた費用

租税公課
固定資産税

損害保険料
建物の火災・地震保険の費用

支払利息
ローンの借入を行っている場合の利息

 

その他の支出

金融機関への元本の返済

利益へかかる法人税、所得税、住民税などの支出があります。

 

こうした費用、支出を考慮しながら、実際にアパートを相続したら毎年どの位の金額が手元に残るかなどを

検討しながら、相続時の不動産市場の動向などを考慮しながら売却をするか判断を行う事が重要となります。

 

2.相続するアパートの将来的な運用計画を考える

相続資産として残されたアパートは築年数が20年以上を経過している物件もあり、

中には建物の耐用年数を経過している物件もあります。

 

構造による建物の耐用年数一覧

構造耐用年数
木造20年
鉄骨 4mm超34年
鉄骨 3mm超4mm以下27年
鉄骨 3mm以下19年
RC・SRC47年

※国税庁HP参照

 

建物の耐用年数は建物を毎年規則的に減価償却(建物の価値を減らす)を行います。

耐用年数期間中に毎年計上される減価償却費は支出がない経費となり、節税効果も代表的な項目です。

詳細 ページ:減価償却費と耐用年数

 

当然の事ながら築年数が経過すればお部屋の内装は周辺の新しい物件よりも劣り賃料も減額する事になります。

また現在、空き家問題・少子高齢化などを考慮して相続するアパートがある地域の賃貸ニーズなどの動向なども

考慮しながら運用計画を考えていく必要があります。

 

保有期間中にキャッシュフロー変化を与える大きな要因

毎期の減価償却費の額と元金返済額のバランス(耐用年数の残存期間、借入金の残金返済期間)

大規模修繕工事、バリューアップ工事等の支出

 

3.資産入替を考慮した相続を考える

既に建物の耐用年数が経過している物件の場合、相続発生の際に売却を検討しても思った価格がつかない事もあります。

もし借入金の残高が少額であれば、既存の建物を壊して更地にしアパート再建築する事も考える事ができます。

新築のアパートであれば、賃貸ニーズを取り込むことも中古と比較して容易であり、将来的にも資産価値として残りやすくなります。

(写真=123RF)

更地にアパート建設をするポイント

アパートの建築は様々な要因を考慮に入れながら検討して行く必要があります。

 

どんな層の賃貸ニーズがあるか(学生、社会人、ファミリー層など)

近隣の生活利便性(駅からの距離、商店街、商業施設など)

居室の設備、広さ、部屋数、間取りなど賃貸ニーズに基づく賃料帯を決める

借入金の元利金返済額と期中の運用収益等のバランスを考える

他の所得との合算で税金面などを考慮する

 

新築アパートを建設するメリット

無借金の土地(借入残高が少ない)を担保に入れる事で金融機関の借入金利を抑える事ができる

新築と言う付加価値は大きく、設備なども最新なので、賃貸募集が有利になる

設備などの故障が殆どなく、しばらく修繕費等が発生しない

長い目でアパート経営を考える事ができる

建物の耐用年数が長期なので減価償却費の節税効果が長く取れる

 

新築アパートを建設する際の注意点

取り壊すアパートに住んでいる入居者の立退きを行わなければならないために退去に時間がかかる可能性がある

立退き費用、移転先のあっせん等が必要になる事がある

近隣住宅と揉めない様に予めケアする必要がある

 

まとめ

アパートを相続する際は、アパート経営を将来的にどう運用していくか明確に方針を決め、

専門家の意見を聴きながら進めて行くことが重要となります。

安易に相続してしまった方で様々な問題に直面している大家さんも少なくないと思います。

相続が発生した段階で遺産分割協議、相続登記、相続税申告などの手続き的な部分の専門家以外にも

資産を運用のプロなどにも相談する様にしましょう。

 

著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉

アパート相続の基本https://reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2017/02/929a9aadc6a9fc618b73e858b27987cd.jpghttps://reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2017/02/929a9aadc6a9fc618b73e858b27987cd-150x150.jpgreibee-japan-am-service不動産税務相続相続対策に不動産を購入しているケースは非常に多いです。 しかしながらアパートなどの賃貸経営が必要となる不動産の場合、相続人の方にもある程度の知識等がなければ 相続をしてもうまく運用できなかったり、管理会社に言いなりになり収益を上げる事ができず、資産としての価値が残らない可能性があります。 (写真=123RF) アパート相続の重要な3つのポイント 相続するアパートの資産性を考える 相続するアパートの将来的な運用計画を考える 資産入替を考慮した相続を考える   1.相続するアパートの資産性を考える アパート経営は収益と費用のバランスを考慮する事が大切です。 相続対策のために購入したアパートであれば金融機関からの借入もあるので、 元利金返済などを考慮する事も必要になります。   アパート経営にかかる費用 建物管理費  建物の管理BM費(日常清掃費、法定点検費など)、入居者管理のPM費(入退去業務、賃料回収など) 水道光熱費 共用部の電気、水道等の使用料 広告料 賃貸募集を依頼をして、客付が出来た際に支払う報酬 修繕費 建物、設備等の修繕費 原状回復費 退去した部屋の修繕費 大規模修繕費 外壁修繕、外壁塗装、屋上防水等の大規模にかかる費用 減価償却費 建物、設備の購入価格を耐用年数に応じて各期間に割り当てた費用 租税公課 固定資産税 損害保険料 建物の火災・地震保険の費用 支払利息 ローンの借入を行っている場合の利息   その他の支出 金融機関への元本の返済 利益へかかる法人税、所得税、住民税などの支出があります。   こうした費用、支出を考慮しながら、実際にアパートを相続したら毎年どの位の金額が手元に残るかなどを 検討しながら、相続時の不動産市場の動向などを考慮しながら売却をするか判断を行う事が重要となります。   2.相続するアパートの将来的な運用計画を考える 相続資産として残されたアパートは築年数が20年以上を経過している物件もあり、 中には建物の耐用年数を経過している物件もあります。   構造による建物の耐用年数一覧 構造 耐用年数 木造 20年 鉄骨 4mm超 34年 鉄骨 3mm超4mm以下 27年 鉄骨 3mm以下 19年 RC・SRC 47年 ※国税庁HP参照   建物の耐用年数は建物を毎年規則的に減価償却(建物の価値を減らす)を行います。 耐用年数期間中に毎年計上される減価償却費は支出がない経費となり、節税効果も代表的な項目です。 詳細 ページ:減価償却費と耐用年数   当然の事ながら築年数が経過すればお部屋の内装は周辺の新しい物件よりも劣り賃料も減額する事になります。 また現在、空き家問題・少子高齢化などを考慮して相続するアパートがある地域の賃貸ニーズなどの動向なども 考慮しながら運用計画を考えていく必要があります。   保有期間中にキャッシュフロー変化を与える大きな要因 毎期の減価償却費の額と元金返済額のバランス(耐用年数の残存期間、借入金の残金返済期間) 大規模修繕工事、バリューアップ工事等の支出   3.資産入替を考慮した相続を考える 既に建物の耐用年数が経過している物件の場合、相続発生の際に売却を検討しても思った価格がつかない事もあります。 もし借入金の残高が少額であれば、既存の建物を壊して更地にしアパート再建築する事も考える事ができます。 新築のアパートであれば、賃貸ニーズを取り込むことも中古と比較して容易であり、将来的にも資産価値として残りやすくなります。 (写真=123RF) 更地にアパート建設をするポイント アパートの建築は様々な要因を考慮に入れながら検討して行く必要があります。   どんな層の賃貸ニーズがあるか(学生、社会人、ファミリー層など) 近隣の生活利便性(駅からの距離、商店街、商業施設など) 居室の設備、広さ、部屋数、間取りなど賃貸ニーズに基づく賃料帯を決める 借入金の元利金返済額と期中の運用収益等のバランスを考える 他の所得との合算で税金面などを考慮する   新築アパートを建設するメリット 無借金の土地(借入残高が少ない)を担保に入れる事で金融機関の借入金利を抑える事ができる 新築と言う付加価値は大きく、設備なども最新なので、賃貸募集が有利になる 設備などの故障が殆どなく、しばらく修繕費等が発生しない 長い目でアパート経営を考える事ができる 建物の耐用年数が長期なので減価償却費の節税効果が長く取れる   新築アパートを建設する際の注意点 取り壊すアパートに住んでいる入居者の立退きを行わなければならないために退去に時間がかかる可能性がある 立退き費用、移転先のあっせん等が必要になる事がある 近隣住宅と揉めない様に予めケアする必要がある   まとめ アパートを相続する際は、アパート経営を将来的にどう運用していくか明確に方針を決め、 専門家の意見を聴きながら進めて行くことが重要となります。 安易に相続してしまった方で様々な問題に直面している大家さんも少なくないと思います。 相続が発生した段階で遺産分割協議、相続登記、相続税申告などの手続き的な部分の専門家以外にも 資産を運用のプロなどにも相談する様にしましょう。   著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉不動産投資成功のノウハウを解説します
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