先日記事にさせて頂いた危険なシェアハウス投資

いよいよ問題が表面化し様々な関連当事者に余波が訪れています。

 

シェアハウス投資、融資資料の改ざん多発 預金額水増し 朝日新聞デジタル

 

朝日新聞の記事によると、800人超えのオーナーへのサブリース賃料の支払いが停止したという事です。

そして今回の問題となっているシェアハウス業者による融資を受けやすくするために物件資料を改ざんしたり、

購入者の預金額の水増しなどを行っていたことも判明しています。

市場賃料相場を明らかにオーバーした賃料設定

ニュースでも出ている物件資料の改ざんはもってのほかだと思いますが、

明らかに相場とかけ離れた賃料相場でなぜ金融機関も評価したのかと言う疑問も残ります。

サブリース賃料が支払われないと言うのは実際に入居者が支払っている賃料と

サブリース賃料の差が大きく業者の持出が発生しているという事ですが、

一般的なサブリース契約では、よほどの事がない限り支払いに困窮する事はありません。

それもわずか数年での出来事です。

恐らく最初の段階のサブリース賃料がめちゃくちゃで業者も持出し覚悟でサブリース賃料を

決めていたとしか思えない状況です。

その一方で投資家の方は金融機関の融資のお墨付きを貰ったから安心して投資をしたと言う

お話をされている方もいます。

少し冷静になれば、明らかに賃料相場がおかしいと気が付ける状況は少なくともあったのに

誰もが気が付かないと言う不思議な状況です。

 

積算価値を明らかに上回った物件価格のカラクリ

不動産投資を行う際の物件評価として収益還元価格積算価格と言う評価方法があります。

 

収益還元価格は収入が大きければ大きいほど、物件価格が高くなると言う考え方です。

積算価格は土地の取得費と建物建設費から算出する原価価値を表します。

 

不動産投資を行う場合、この2つの価格についてのバランスを考える事が非常に重要で

不動産鑑定士が不動産を鑑定する際にも使用する評価方法です。

 

違う評価手法で物件を評価するメリットとしては評価方法により明らかに価格査定の相違がある場合、

何かおかしな部分に気が付く事ができます。

今回のケースでも収益還元法で査定(割高なサブリース賃料)と原価法(建物と土地の原価)を

比較すれば明らかに収益還元法での査定額は高額のサブリース賃料により高く評価され、

その評価に基づき建物と土地の価格が決定をされていました。

 

つまり収益だけで査定された銀行評価により融資を受けて、

実際には原価が低い建物と土地を購入していた方が殆どだったのです。

様々な相談から推測すると実際の原価価値は7割にも満たない金額で、

鼻から投資をされた方は市場価値で考えるとマイナスの物件を購入した事になります。

こうした建設費の部分で多額に利益を得た部分をサブリース賃料と実際の賃料の差額に

補填していたと言うお話も出てきています。

 

これから投資家の方はどうなっていくのか?

 

現在、金融機関には対策室ができた様なのですが、抜本的な解決には至らないのではと思います。

不動産投資は当然の事ながら自己責任ですし、仮に業者さんが資料の改ざん行為を行っていたとしても

それを知らず知らずに容認していた方もいらっしゃる様にも思います。

 

「手元資金がなくても不動産投資を行える」と言う営業トークは昔からあり、

一般的には不動産投資を行う際には少なくとも物件購入時の諸経費は手元資金から

拠出する必要がありますが、それもなく不動産投資が行われているのは、

何かしらの改ざんとまでは言わなくても、こうした危うい手法を取って投資をしていると

言う話は多く耳にしてきました。

 

そうした責任が誰にあるかと言うと非常に難しい問題だと思います。

当のシェアハウス業者も既にサブリース賃料の支払いを止めているので、

責任を追及しようとしても内情を考えると難しい様に思います。

 

今後、サブリース賃料は既に支払われていないのでサブリース契約が解除され、

実際の稼働率の収入で運用していく事になります。

簡易的な計算ですが、割高なサブリース賃料が100%だとすると

市場価格などを考慮すると恐らく5~70%が適正な賃料だと思います。

また共用部などがないシェアハウスなので実際の稼働率も50%位の物件も多い様で

適正な賃料、実質的な稼働率で考えると元利金返済には、まったく届かない水準になると思います。

 

 

 

その後、金融機関がどうするかです。

本来であれば差額を投資家が手元資金で補填をして元利金を返す事になりますが、

多くの投資をされた方の収入を考えると毎月数十万円の持出は難しいです。

そうなると投資家の方はデフォルトすると言う選択肢を取らざるを得ない様に思います。

 

金融機関が対策室を設けたとしても、もし投資家の方をデフォルトをさせてないとなった場合

実質収入の2倍近い販売金額で購入した物件なので返済が可能となる条件を計算すると

60年借入で金利1%水準にしないと返済は厳しい水準です。

また金融機関が今回の貸付について緩和措置を取って良いかの判断は

貸付額は数千億円に及ぶので金融庁などの判断を仰がざるを負えないと思います。

 

おわりに

この問題は数年間活発だった個人の方の不動産投資にひとつの警笛になる事は言うまでもありません。

投資した当初から多額の負債(純資産で考えると明らかなマイナスの資産)からスタートする

投資は投機以外の何物でもありません。

 

やはり安易な不動産投資は行わない方が良いと言うのが今回の教訓だったと思います。

プロでも良い物件を入手する事が難しい中で、素人投資家の方が勝つのは指南の技です。

そんな現実の中で花の様なイメージで作られた不動産投資を安易に手を出してしまった代償は

本当に大きいです。

 

それでも金融機関は何故、積算価値が販売価格よりも明らかに低く

市場よりも割高な賃料に基づく収益還元法などで担保評価をして貸付をおこなったのか?

 

本当に不思議でありません、不動産投資の火付け役と言っても良い、

この金融機関が利益を追求した結果が産み出したものなのか、

様々な当事者の思惑がこうした事件の背景にある様に思います。

 

 

著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉

 

今回のシェハウス投資でお困りの方は弁護士を含めてご相談が可能ですので、下記のフォームよりお伝え下さい!

 

 

 

 

 

 

 

(続)危険なシェハウス投資https://i2.wp.com/reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2018/02/39953199_m.jpg?fit=835%2C574https://i2.wp.com/reibee.japan-am-service.com/wp-content/uploads/2018/02/39953199_m.jpg?resize=150%2C150yodoshita不動産マーケット金融先日記事にさせて頂いた危険なシェアハウス投資いよいよ問題が表面化し様々な関連当事者に余波が訪れています。  シェアハウス投資、融資資料の改ざん多発 預金額水増し 朝日新聞デジタル 朝日新聞の記事によると、800人超えのオーナーへのサブリース賃料の支払いが停止したという事です。そして今回の問題となっているシェアハウス業者による融資を受けやすくするために物件資料を改ざんしたり、購入者の預金額の水増しなどを行っていたことも判明しています。市場賃料相場を明らかにオーバーした賃料設定 ニュースでも出ている物件資料の改ざんはもってのほかだと思いますが、明らかに相場とかけ離れた賃料相場でなぜ金融機関も評価したのかと言う疑問も残ります。サブリース賃料が支払われないと言うのは実際に入居者が支払っている賃料とサブリース賃料の差が大きく業者の持出が発生しているという事ですが、一般的なサブリース契約では、よほどの事がない限り支払いに困窮する事はありません。それもわずか数年での出来事です。恐らく最初の段階のサブリース賃料がめちゃくちゃで業者も持出し覚悟でサブリース賃料を決めていたとしか思えない状況です。その一方で投資家の方は金融機関の融資のお墨付きを貰ったから安心して投資をしたと言うお話をされている方もいます。少し冷静になれば、明らかに賃料相場がおかしいと気が付ける状況は少なくともあったのに誰もが気が付かないと言う不思議な状況です。  積算価値を明らかに上回った物件価格のカラクリ 不動産投資を行う際の物件評価として収益還元価格と積算価格と言う評価方法があります。 収益還元価格は収入が大きければ大きいほど、物件価格が高くなると言う考え方です。積算価格は土地の取得費と建物建設費から算出する原価価値を表します。 不動産投資を行う場合、この2つの価格についてのバランスを考える事が非常に重要で不動産鑑定士が不動産を鑑定する際にも使用する評価方法です。 違う評価手法で物件を評価するメリットとしては評価方法により明らかに価格査定の相違がある場合、何かおかしな部分に気が付く事ができます。今回のケースでも収益還元法で査定(割高なサブリース賃料)と原価法(建物と土地の原価)を比較すれば明らかに収益還元法での査定額は高額のサブリース賃料により高く評価され、その評価に基づき建物と土地の価格が決定をされていました。 つまり収益だけで査定された銀行評価により融資を受けて、実際には原価が低い建物と土地を購入していた方が殆どだったのです。様々な相談から推測すると実際の原価価値は7割にも満たない金額で、鼻から投資をされた方は市場価値で考えるとマイナスの物件を購入した事になります。こうした建設費の部分で多額に利益を得た部分をサブリース賃料と実際の賃料の差額に補填していたと言うお話も出てきています。  これから投資家の方はどうなっていくのか?  現在、金融機関には対策室ができた様なのですが、抜本的な解決には至らないのではと思います。不動産投資は当然の事ながら自己責任ですし、仮に業者さんが資料の改ざん行為を行っていたとしてもそれを知らず知らずに容認していた方もいらっしゃる様にも思います。 「手元資金がなくても不動産投資を行える」と言う営業トークは昔からあり、一般的には不動産投資を行う際には少なくとも物件購入時の諸経費は手元資金から拠出する必要がありますが、それもなく不動産投資が行われているのは、何かしらの改ざんとまでは言わなくても、こうした危うい手法を取って投資をしていると言う話は多く耳にしてきました。 そうした責任が誰にあるかと言うと非常に難しい問題だと思います。当のシェアハウス業者も既にサブリース賃料の支払いを止めているので、責任を追及しようとしても内情を考えると難しい様に思います。 今後、サブリース賃料は既に支払われていないのでサブリース契約が解除され、実際の稼働率の収入で運用していく事になります。簡易的な計算ですが、割高なサブリース賃料が100%だとすると市場価格などを考慮すると恐らく5~70%が適正な賃料だと思います。また共用部などがないシェアハウスなので実際の稼働率も50%位の物件も多い様で適正な賃料、実質的な稼働率で考えると元利金返済には、まったく届かない水準になると思います。   その後、金融機関がどうするかです。本来であれば差額を投資家が手元資金で補填をして元利金を返す事になりますが、多くの投資をされた方の収入を考えると毎月数十万円の持出は難しいです。そうなると投資家の方はデフォルトすると言う選択肢を取らざるを得ない様に思います。 金融機関が対策室を設けたとしても、もし投資家の方をデフォルトをさせてないとなった場合実質収入の2倍近い販売金額で購入した物件なので返済が可能となる条件を計算すると60年借入で金利1%水準にしないと返済は厳しい水準です。また金融機関が今回の貸付について緩和措置を取って良いかの判断は貸付額は数千億円に及ぶので金融庁などの判断を仰がざるを負えないと思います。  おわりに この問題は数年間活発だった個人の方の不動産投資にひとつの警笛になる事は言うまでもありません。投資した当初から多額の負債(純資産で考えると明らかなマイナスの資産)からスタートする投資は投機以外の何物でもありません。 やはり安易な不動産投資は行わない方が良いと言うのが今回の教訓だったと思います。プロでも良い物件を入手する事が難しい中で、素人投資家の方が勝つのは指南の技です。そんな現実の中で花の様なイメージで作られた不動産投資を安易に手を出してしまった代償は本当に大きいです。 それでも金融機関は何故、積算価値が販売価格よりも明らかに低く市場よりも割高な賃料に基づく収益還元法などで担保評価をして貸付をおこなったのか? 本当に不思議でありません、不動産投資の火付け役と言っても良い、この金融機関が利益を追求した結果が産み出したものなのか、様々な当事者の思惑がこうした事件の背景にある様に思います。  著者:日本AMサービス 代表 堂下 葉 今回のシェハウス投資でお困りの方は弁護士を含めてご相談が可能ですので、下記のフォームよりお伝え下さい!       ~次世代のための賃貸経営情報~
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